ウィーンの写真集

オペラ歌手甲斐栄次郎さんの写真集「ライカで綴る古都ウィーン」を見た。ドイツ製のフィルムカメラ、ライカで撮られたもの。すべて白黒写真で、ヨーロッパの空気にみちている。

甲斐さんのエッセーも載っている。ウイーンでのオペラ歌手としての生活のこと。写真をはじめたきっかけ、ライカとのなれそめ。

この本の写真をながめ、エッセーを読むと、こころが落ち着く。白黒写真のしずかなうつくしさ。そして石づくりのウィーンの硬質なまちなみ。ひとりの人として自立していこうという凛とした緊張感がつたわってくる。個人主義、人に依存しない感覚。たしかなメッセージが心の琴線に触れる。一人だとおもう。

音楽、写真、美への喜び、夢。とても大切なものを見て、ふれた気がする。