2014-01-01から1年間の記事一覧

雨の午後

イスラム圏の最近の動向に関する話を聴きにいった。中東出身の二人の専門家が話をした。気持ちの良いサロンで、ソファーにすわって話をきいた。歴史、地理、政治、経済、宗教を丁寧にひもときながら、3時間にわたっての知的刺激にみちた時間。こうした時間…

おちつける店

ボサノヴァを聴きにいった。ささやかなコンサート。かえるとき、人通りのおおい道をさけ、しずかなとおりをあるいた。ふっとそこに小さな店を見つけた。夕食をとろうと、一人その店にはいった。夜に一人で店にはいるのは、多少のためらいがあるけれど、この…

ストーカー

アンドレイ・タルコフスキーの映画「ストーカー」。心にふかいものをのこしてくれた映画だ。 ある地に特別の場所があった。隕石が落ちたのだろうか、あるいは宇宙人が来たのだろうか。政府は軍隊を派遣したが、誰一人戻らなかった。政府はそこを「ゾーン」と…

惑星ソラリス

アンドレイ タルコフスキーの映画で「惑星ソラリス」という映画がある。印象にのこっている映画だ。これはかつてのソ連で1972年につくられた映画だという。165分と映画としてはとてもながい。SF映画と言われるけれど、舞台が人工衛星上の話ということ…

プリズナーNo6

印象にのこっているドラマで、プリズナーNo6というドラマがある。英国で製作されたもので17話からなる。 英国の諜報部員である一人の男が、ある日上司に辞表を提出し、職場を去る。そのまま自宅に帰ると、なにものかが家に睡眠ガスを注入し、男はねむって…

ことわりと自由

話をしていて、提案をことわってもいいですよ、といったらおどろかれた。了解してほしいのでしょう?と言う。 けれど、提案はことわってもいい。提案は命令でも指示でもない。教育でも指導でもない。いやならいやと言えること。人は自由にかんがえ判断するこ…

オルガンコンサート

秋の日、オルガンを聴きに行った。秋の昼の日差しのなか、公園をあるく。落ち葉を踏みしめながらあるいていくと、しあわせにみちた気持ちになる。 多少時間があったので、途中の喫茶店で紅茶とケーキをとった。ゆったりした時間がながれていく。 静かなホー…

4つの技能

入学式の時の祝辞だったと思う。印象にのこる話があり、ずっと心のなかにあった。学生時代に4つの技を身につけておくようにという話だった。その4つとは次のようなもので、こんな話だった。 第1は、自分の専門だ。好きで夢中になれる専門を身につけること…

モンテクリスト伯

中学時代に熱中して読んだ本に、アレクサンドル・デュマのモンテクリスト伯がある。長い小説だったけれど夢中になって読んだ。 主人公のエドモン・ダンテスは無実の罪によりシャトー・ディフに無期懲役犯として投獄され、そこで一人の神父に出会う。身の上ば…

木を植えた男

ジャン・ジオノが書いた「木を植えた男」を読んだ。この本はずっと読みたいとおもっていた。実話だという話もあったようだけれど、創作だ。舞台はジャン・ジオノがずっと過ごしたフランスの南東部。マルセイユやエクス=アン=プロヴァンスにちかい山の中だ。…

フランス語の読書

春、フランス語の本を読もうとおもった。フランス語は初級文法は終えたものの、それ以降のトレーニングはしていない。つかえるようにするためには本を読むのが良い。とはいえ、何を読もうか。そんなおもいのままずっとすごしていた。 けれどある日、おもしろ…

関口存男のドイツ語学習法

関口存男というドイツ語学者がいた。この人がドイツ語をまなんだときの話がおもしろい。関口さんは1894年の生まれだ。今読んでも、この人の書く文章はすばらしく、おもしろい。ドイツ語のためのすばらしい参考書も書かれている。 「わたしはどういう風にして…

ドイツ語

春にドイツ語をまなぼうとおもった。そこでNHKラジオ講座のテキストを買って、聴きはじめた。そしてこの9月末で講座が修了する。聴きもらすことなく全回聴いた。 良い経験をしたとおもった。ラジオだから毎回ドイツ人の発音を聴くことができる。ラジオは音…

枯葉

シャンソンで枯葉という曲がある。かつての恋人へのおもいをうたうシャンソンだ。そして、また人生の秋に感じるおもいをもうたっている。個人主義が徹底しているフランス人の追想を、秋らしい比喩をつかってうたっている。シンプルでわかりやすい。心にはい…

ダリ美術館

福島市での用を終えたあと、諸橋近代美術館に行った。ここには世界有数のサルバドール・ダリのコレクションがある。 中学時代、家に美術全集があった。どの絵を見ても良いとはおもわなかった。けれど、ある日、ダリの絵を見た時、ショックを受けた。圧倒的な…

沈黙の世界

心には言葉にならない世界がある。人はすべてをはなすわけではないし、はなせるものでもない。言葉にならない/できないイメージの世界もあるし、さらに自分自身でも意識しないおもいだってある。 自分のおもい、考えをすべて意識化したいとおもったことがあ…

トランス状態

フラメンコを見た。踊りは見せるためにおどるから、ダンサーは自覚しておどる。基本ステップ、基本的な振りを組み合わせて複雑なうごきをつくりあげていく。 けれど、意識的に構成していくだけでは完成しない。高揚し、のめりこんでいくこと、トランス状態が…

ギリシャ神話

こどものころ、寝る前にギリシャ神話の話をよく読んでもらった。特に好きだったのはペルセウスの話だった。草原でペルセウスが眠っていると、そこに銀白にひかりかがやく甲冑をまとった女神アテネがあらわれる。アテネは知性の神だ。アテネはペルセウスに、…

表現

心とはなんだろう。もちろんそれだけをかんがえていても答はみつからない。こころが表にあらわれた表現ならばあつかうことができる。 人との話、あるいは自分で書いた文章でもいい。絵や音楽などの表現。そうやって外部に取り出された表現をかんがえる。もち…

自由で保護された場所

カウンセリングなどでは静かな部屋が使われる。外界から遮断され、視覚的なノイズもすくない、あまりひろくない部屋。クライエントとカウンセラーはたがいに向き合ってすわるのではなく、ややななめか、隣合わせなどにしてすわる。飲み物などちょっとしたも…

光の音楽

コンサート。ラヴェルの音楽を聴いた。ひかりかがやく粒が体全体にふりかかってくるような、夢のなかにいた。なんという官能的な音楽なのだろう。しあわせな時間。

景色

高知県に行った。用事をすませたあと、朝市を見て、街をあるいた。城にのぼり、たかいところから街を見た。気に入った店で食事をした。 学校の修学旅行での京都、奈良をはじめとして、日本国内はあちこちと出かけた。日本の景色は見慣れていて、心に刷り込ま…

コレクション

家をかたづけていたら、まとまった量の切手が出て来た。いくつかの記念コインもあった。親があつめていたようだ。たしかにうつくしいものがあるし、さまざまな行事の記念で作られた切手などがあって見ているとたのしい。 手紙を出すときにこの切手をつかって…

第3セクター

NPOや財団の人と話をすることがある。第3セクターと呼ばれる組織だ。 第1セクターである官庁が公益をにない、第2セクターである民間企業は利益を追求する。そして民間でありながら公益活動をするのが第3セクターとしてのNPOや財団だ。こうした第3の公共と…

15才の夢

15才のころ、将来のことをかんがえた。もしお金も時間もたっぷりあるとしたら、一生をどうやってすごすだろう。まずそうやってかんがえて、充実感のある人生をえらぼう。好きなこと、熱中できることをしてすごそう。熱中できるものは数学だった。今ならば…

もしも

ヨーロッパの言葉をまなぶときのひとつの山場は、仮定法だとか条件法と呼ばれるものだ。実際におきたこととはことなる状況を想定し、「もしこうであったら、こうだったろう」といったことを表現する。 日常生活でふっとおもうことがある。「もしあのときこう…

心の方程式

映画を見た。スウェーデンの田舎が舞台で、鮮やかな色彩がうつくしい。シンプルで心がかろやかになる映像だ。主人公は18才の男性。物理が好きで、人間関係が苦手。モノローグ「物理は人を裏切らない。感情のような複雑さがない。」彼は人の感情の動きを読…

気軽なパーティー

大使館のパーティに出席した。決して広くはない、けれど気持ちのよい部屋。挨拶、乾杯のあと簡単なオードブル、ジュース、シャンパン、ワイン。けっしておおくの食べ物や、飲み物があるわけでもない。楽しい会話があった。立食でときおり移動していろいろな…

ささやかな暮らしのためのフランス語

ふるいフランス語の学習雑誌が出て来たので、半年以上かけて、問題を解きながら、読んだ。 英語以外のことばをまなぶ人は、いまどのくらいいるのだろうか。外国語をまなびつづけるには夢がいる。ずっと昔ならば、ドイツ語だとカントなどの哲学や医学や音楽へ…

未完成交響楽

シューベルトの未完成交響楽の演奏を聴いた。ここ何年もきいていなくて、ひさしぶりだった。うつくしい旋律のなかにとけ込んで行った。 子どもの頃、オーストリア映画で同じ題名の映画を見た。第2次世界大戦前につくられた映画でシューベルトを主人公にした…