ギリシャ神話

こどものころ、寝る前にギリシャ神話の話をよく読んでもらった。特に好きだったのはペルセウスの話だった。草原でペルセウスが眠っていると、そこに銀白にひかりかがやく甲冑をまとった女神アテネがあらわれる。アテネは知性の神だ。アテネはペルセウスに、父親の敵をとり母親を守るため、勇気をもってメデーサの首を打ち取ってこいという。そのためにアテネは楯を、ヘルメスは空を飛ぶサンダルを貸してくれる。

ギリシャ神話では若者や登場人物は、すぐれた知性と均整のとれた体をもってえがかれる。女神もまた美と知性を持っていた。ここに登場する神はキリスト教以前だから一神教ではなく、大勢いたし、喜怒哀楽をもっていた。

ペルセウスは、ヘルメスのサンダルを履き、空を飛んで行く。どこまでも青い空とエーゲ海の青い海の上。島々には白い家々が立ちならぶ。わたしにとってはギリシャはそうしたイメージだった。

小学校に入ると、自分でギリシャローマ神話の本を読むようになった。

知性、肉体へのおもい、そして美しい景色の原風景はわたしにとってギリシャ神話から得たものだった。