ことわりと自由

話をしていて、提案をことわってもいいですよ、といったらおどろかれた。了解してほしいのでしょう?と言う。

けれど、提案はことわってもいい。提案は命令でも指示でもない。教育でも指導でもない。いやならいやと言えること。人は自由にかんがえ判断することができる。否定することは、事柄の否定であって、相手の人格の否定ではない。

子供のころからおもっていたことがある。お互いを尊重して対等の関係で話ができるようでありたい。おたがいの自由は徹底的に尊重する。ただし自分の意見はきちんとつたえ、相手の意見もきく。けれどあなたはわたしではない。人にはそれぞれの人なりの考えがある。お互いが納得して、よろこんでしたいことをする。相手の意向や立場をはかって、判断するのではなく、自分のかんがえにしたがって判断すること。了解するときは了解すればいいし、だめなときはだめといえばいい。顔色をうかがったり、同情されて、了解されてもうれしくもなんともない。

自由で、信頼ある関係をつくりたい。それがおたがいを尊重することでもある。簡単であたりまえのことのようにおもえる。けれど、いままでの経験からいうと、とてもむずかしく、まれなことだったとおもう。

自由で平等な関係をもつことのできる人は本当にわずかなのかもしれない。