第九交響楽


年末になるとあちこちでベートーベンの第九交響曲の演奏会がひらかれる。

中学の時、試験で名曲と思う曲は何か、という問題が出ると言われていた。そしてそのときはこの曲を書けば良いといわれていた。けれど、わたしはこのシラーの詩が、いやだったので、ドビッシーとラベルについて書いた。ベートーベンはシラーの詩に感動してこの曲を作曲したという。当時の学校には、「みんなで、全員一致で団結して」といった空気があって、それがいやだった。シラーの詩はそれに対応していると感じていたのだ。ドビッシーやラベルの歌詞のない、個人的な、音そのものにうったえかける音楽が好きだった。

けれど、音楽として、この曲はけっしてきらいではない。

第九交響曲をベースにしたポピュラーの曲がある。平原綾香が第3楽章をベースにつくったLove Story、そして第4楽章をベースとしたJoyful Joyfuyl。Love Storyは日本語の歌としてはめずらしい愛の歌で、オペラのアリアのような歌詞。とても気に入っている。この曲を平原綾香以外の人の歌でも聴いてみたいおもう。後者はたまに耳にすることがある。アメリカでシラーの詩を元につくったらこんな印象になるだろう、といった印象を受ける曲だ。