Sarah

今年、サラ・オレインのCD、Sarahをよく聴いた。はじめて聴いた時、気付かないうちに涙がながれていた。家で無防備に聴いていて、心にガードがかかっていなかった。こういうCDは家でひとりで聴くもので、人前では聴けない。

特にBeyond the Skyという曲を繰りかえし聴いた。
英語版と日本語版の歌詞の内容はまったくおなじではないけれど、いずれにしてもふたりの人の語りかけになっている。自由で独立した人の間の、かたりかけ。深いところでの心の交流。ふたりが同じ方向をむいていることがわかる。音楽、歌詞、歌、がつくりだす世界に溶け込んだ。

英語版だと語末の子音の破裂音が効果的だ。つよい意思を感じさせる部分での破裂音と、やさしさを表現するまろやかな音の対比。韻のうつくしさがはっきりとつたわってくる。

にごりがなく透明感のある声。ひろがりのあるメロディ。こうした曲が今の日本でつくられ、演奏・録音されたことにおどろいたし、耳にとどいたことをこころから感謝している。