最後の本

18才のころ、これから読もうと思う本のリストをつくった。推薦書リストや出版社の書籍案内等を見てリストをつくった。200冊ほどあったろう。その後さまざまな本を読むにつれて、リストを追加したり、削除したりして変更してきた。おおい時は年に何十冊も読んだ。けれど、文庫本や新書などの本を読み終わり、数学や物理、外国語入門の本がのこってくるとそれほどよめなくなった。

おおくの本は図書館で借りた。そして、いくつかの本は買った。まだ手元には読んでいない数冊の本がある。そして買おうとおもう本が一冊だけのこっていた。先日、この本を、自分へのささやかなプレゼントとして手に入れようとおもった。高価な本だったけれど、注文した。手元にとどいたとき、うれしかった。これでもう、手に入れようとおもう本はない。それだけではない。欲しい物もなくなった気がする。やりのこしたことは、本を読んだり、旅行したり、人と会う、など行動することだ。

 まだ数年かかかるだろうけれど、手元にある数冊の本をよめば、一つの夢がおわる。