国際会議

国際会議に出席した。

はじめて国際会議に出たときのことをおもいだした。このときわたしは事務局をし、論文集の編集もした。そしておおくの発見があった。

国際会議といってもヨーロッパの人にとっては特別のことではなかった。ごくちかいところにたくさんの国がある。特定のテーマをめぐって議論し、似た分野の人があつまって話をする。それで気がつくことがある。それがいいのだ。特にみがまえることではないのだとおもった。

それだからというわけではないけれど、ひどい内容の話をしたり、話がへたな人もいた。プログラム委員会は事前に選考をするけれど、それでもそうした人はいる。みんながみんなすばらしいということではなかった。教科書などでは複雑で緻密な計算をした結果しか知らなかったけれど、それは結果だ。会議では簡単なモデルでかんがえかたを説明する人がいた。最初はこうしたところからスタートするのだと妙に感動した。これならば自分でもできるとおもった。

みんながみんな英語がじょうずなわけではなかった。日本の有名な先生でも、かならずしも英語がうまいとはかぎらなかった。ヨーロッパの人でも英語がへたな人もいた。それでもどんどん話をしていた。

朝、多くの人がホテルからジョギングに出て、かえってきた。けっしてはやいわけでもきれいなはしりでもなかったけれど、科学者がはしるということにおどろいた。科学者にはスポーツがにがてだった人はおおいとおもうけれど、それでもはしっている。競争ではない。わたしもはしろうとおもった。

はじめて国際会議に出たとき、わたしはおおくのことをまなんだ。