空想の友達

小学校に入学するころまでの子どもには、空想の友達(Imaginary Friend)というのがいることがあるという。そして、それは、子供の成長に役立つという。ちいさな子どもが自分の心のなかに自分以外の存在、他者をつくりだすのはおおきなことだ。 ちいさいとき…

夕立

夕方、プールに行った。夕食の支度をする時間帯だからだろうか、プールにはほとんど人がいなかった。監視する人ととわずかな人がいるだけで、しずかなプールでゆっくりとおよいだ。 プールを出ると自転車に乗ってはしった。お盆やすみで人どおりがすくなくな…

文学部からはなれたフランス語教育

ずっと以前、フランス語の通信添削を受けていたことがある。そのときの教材と答案が出てきた。そこでここ数ヶ月かけて見なおした。このコースはレベルが上がるにつれてつまらなくなっていった。それはなぜだったのか、よくわかった。 英語教育では、英語を背…

山古志

新潟県に行った。中越地震の情報を今につたえる中越メモリアル回廊を見た。そして中越地震の震源である山古志の各地をあるいた。新潟県はここ50年ほどの間に1964年の新潟地震(マグニチュード7.5)、2004年の中越地震(M6.8)、2007年中越沖地震(M6.8)、20…

ビーチサンダル

ビーチサンダルを買った。440円。ものを買うことはあまりないのだけれど、ビーチサンダルは前から買おうとおもっていた。今までつかっていたものはかなりくたびれてきて、かかとがかなりうすくなっていた。ビーチサンダルはちょっと出るのに便利だし、旅行で…

ブラームスはお好き?

サガンの小説に「ブラームスはお好き?」というのがある。主人公の39歳の女性ポールを25歳の純情な男性シモンがコンサートに誘う手紙のなかで書いたことば Aimez-vous Brahms? だ。いま、それはどうでもいい。 ブラームスの協奏曲とシンフォニーを聴きに行っ…

めずらしい読書

この1ヶ月ほどたくさんの本を読み続けている。それも文学作品だ。しかも、めずらしく詩集やら俳句まで読んでいる。図書館にかよい、本を借り、読みつづけている。 このなかに詩人の高橋順子さんの詩集や、エッセーなどがある。詩人の書く文章は端正でうつく…

洋書はじめ:数学

数学の講義の最初の時間だった。先生は本の紹介をした。英語の本だった。 そしてこう言った。講義の参考書としてこの英語の本をつかいます。英語だからといって心配しなくていい。数学で使う英語はたいしたことない。本当は第1章は英語、第2章はフランス語…

青春の書

若い時に夢中になって読む本がある。カラマーゾフの兄弟だとか、失われた時を求めて、だとかジャンクリストフのような大作は夢中になることで、読める本だ。けれどこうした小説だけが青春の書というわけではない。 わたしの場合は、物理の本だった。ファイン…

人生相談:生きるためのコツ

車谷長吉さん、村上春樹さん、といった作家が読者の相談を受け付けるといった本がある。こうした本は、学校で聞くような話とちがっておもしろい。おもしろさをねらって書くこともあるだろうけれど、リアリティに富んでいるとおもう。デカルトをはじめ多くの…

車谷長吉さんの訃報

小説家の車谷長吉さんが亡くなったという。奥さんが帰宅したところ、食べ物を喉に詰まらせてたおれていて、病院にいったが亡くなったとのことだ。69歳だった。 車谷さんの本にはいつもひとつのかんがえかたがながれている。人には名誉欲、食欲、性欲があり卑…

かっぱ橋商店街

東京、かっぱ橋をあるいた。焦げないというのでつかっていたフライパンがこのところ焦げやすくなってきた。きっとテフロンがはがれたのだろう。テフロンの寿命は数年だという。それで気にせずにずっとつかえる鉄のフライパンを買おうとおもっていた。うまい…

理系と数学系

理系という言葉があるけれど、数学系とはあまり言わない。おなじようにみられるけれど、数学が好きな人と、理科が好きな人ではかならずしもおなじではない。 中学では学校の理科には興味がもてなかった。あまりにも常識的な知識問題だけだから興味の持ちよう…

サルサ

ロンドンの地下鉄に、Bayswaterという小さな駅がある。ここは庶民的な街で、インド人が多く、インド料理の店が多い。この街にある小さなホテルに何度か泊まったことがある。ホテルのちかくに3階建ての小さなショッピングセンターがあり、そこで食事をしたり…

フュージョン

ジャズとロック、ラテンなどの音楽が融合したフュージョンと呼ばれるジャンルがある。日頃よく聴くのだけれど、クラシックとちがってグループがなくなると、演奏が聞かれなくなるのが残念。特に歌がない器楽曲はおぼえられることがすくない。いつまでも、生…

You Raise Me Up

この曲はアイルランド民謡をベースにしていて、耳になじみやすく、歌詞は心にふかくはいりこんでくる。多くの歌手やグループがうたっているため、ときおり耳にすることがある。男性ではJosh Groban やWestlife、女性/グループではLena Park 、Celtic Woman、…

後悔することのリスト

終末医療の医師がまとめた「死ぬときに後悔すること」というリストを知り合いがおしえてくれた。 最期のときをむかえるにあたって、人がいろいろとおもうことをまとめたものだという。ただし高齢になってからも人ははたして多くの願望をもつのだろうか。わた…

時をかける人

何かに習熟するには500時間、5000時間、15000時間の壁があるという。これだけの時間を超えることで初級、中級、上級になるという。才能の有無というけれど、とにかくこうした時間をかけることで向き不向きがわかってくる。そして時間をかけた人は技能がつく…

学生街

久しぶりに学生時代をすごした街をあるいた。夢中になってすごした街。建物はすこしずつ変わっているけれど、以前の記憶をとどめている。なつかしかった。 年をとっても気持ちが若ければ若者だというけれど、それはちがう。老人と若者はちがう。若者だけがも…

空白の時

いろいろな手続きをする日々がつづいた。役所に行き、いろいろと資料を手に入れ、別の役所で書類を提出する。また、出席しなければいけないいくつかのあつまりがあって、そのための資料作りなどの仕事がつづいた。こうしたことが一段落した日、ふっとテーブ…

ゲド戦記

アーシュラ・K・ル=グウィンの手による、すばらしい物語。小説というより壮大な物語という方がわたしにはぴったりする。日本語で刊行されている本は6冊ある。1冊は短編集の形をとっているので、ここではこれをのぞいた5冊について書こう。このシリーズの…

年をとること

子どものころからノートにやりたいことを書き、書きなおすということをしてきた。これは18歳のころには大切なノートになった。まなびたいこと、読みたい本、やってみたいこと、行ってみたいところ、欲しいもの、そうしたことをみんな書いた。そしてこのノ…

物語と旅行

小学生のころドリトル先生シリーズを夢中になって読んだ。この航海記にこんな話がある。世界地図をひろげて、右手に鉛筆を持ち、目をつぶって適当なところをさす。そこにはかならず行かなくてはならない。こんな形で旅行プランを立てようとはおもわないけれ…

コブラ

寺沢武一のマンガ「コブラ」。自立した登場人物の設定とアメリカンコミックのような絵づくりは日本の通常のマンガとかなりちがう。 主人公は一匹狼の宇宙海賊コブラで、人にはたよらない。 コブラが愛し、信頼するもの3つは、とても象徴的だ。左腕に装着さ…

伊藤和夫の英語

英語教育で画期的な業績をのこされた伊藤和夫さんについて書こう。伊藤はドイツ語の関口存男さんとならぶ人だ、とおもう。 伊藤は戦後の混乱期、洋書を読むことによって英語の力をつけたという。その才能から卒業時に大学教授になったもおかしくないと言われ…

読むこと

まなびの基本は、「読み、書き、計算」だとしみじみおもう。人はことばをつかってかんがえる。だからことばをまなぶことは基本だ。日常のことばとしての日本語の読み書き、そして日本語の鏡としての英語、自然科学の言葉としての数学、をまなぶことは基本だ…

シブミ

知り合いのアメリカ人に「あなたはこの本が気に入るんじゃないか」といってもらった本。ニコライ・ヘルという暗殺者を主人公とした小説で、とてもおもしろかった。プレゼントしてくれた人は、底流にながれる価値観がわたしの嗜好にあっているとおもったのだ…

机にむかう時間

中学のころ、帰宅すると一人で数学の教科書をまなんだ。週にすくなくとも2〜3日はきっちり2時間まなぼうと決めていた。その日はそれ以外の学習はしない。別の日には英語の教科書の予習をした。英語と数学だけまなんでいた。中学1年の夏に英語の教科書を…

雨の午後

イスラム圏の最近の動向に関する話を聴きにいった。中東出身の二人の専門家が話をした。気持ちの良いサロンで、ソファーにすわって話をきいた。歴史、地理、政治、経済、宗教を丁寧にひもときながら、3時間にわたっての知的刺激にみちた時間。こうした時間…

おちつける店

ボサノヴァを聴きにいった。ささやかなコンサート。かえるとき、人通りのおおい道をさけ、しずかなとおりをあるいた。ふっとそこに小さな店を見つけた。夕食をとろうと、一人その店にはいった。夜に一人で店にはいるのは、多少のためらいがあるけれど、この…